平成12年度 研究報告 大分県産業科学技術センター
放電軸加工に関する研究
城門由人 機械電子部
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Yt l ki hi t o KI DO Mechani cs &El ect r oni cs Di vi s i on
要旨
生産現場において軸の加工頻度は非常に高い,近年では新素材の開発により難加工材の軸加工や機械部品の ダウンサイジング化による微細軸加工の要求が増えている。しかし,これらの主要な加工方法は,旋削による ものであり対応が困難になっている.本研究では,難加工材の軸加工や微細軸の加工に対応できる放電加工を 利用した代替軸加工法について検討した.
1.緒言
近年では新素材の開発に伴い刃物による加工法では加 工が困難な材料が普及しており,従来の加工法に替わる 加工技術が求められている.生産現場i こおいて加工頻度 の高い軸形状は,従来から旋削による加工が主であり, これに替わる加工法の提案はなされていない.また,機 械製品のダウンサイジング化により要求される機械部晶 は微細化しており,それに対応すべき加工技術が必要で ある.細軸や針状の加工は熟練技術者にとっても困難な 加工であり,代替加工法の要求は高まっている.そこで, 本研究では,硬さによる制限がなく,加工抵抗が小さい など難削材の加工に適した特徴を有する放電加工を利用
した代替軸加工法について検討した.
2.加工方法 2.1.加工方法の検討
最新型NC形彫放電加工機のオプションとして放電研 削法による電極ドレッシング装置が開発され,微細軸の 形成が可能となっている.しかし,このドレッシング装 置を従来の加工機に使用することはできず,新規導入し ない限り利用できない.また,この装置の導入費用も非
常に高額であり手軽なシステムとは言い難い.そこで,
中小企業がすでに所有している放電加工機の応用加工技
術としての軸形成法を提案する.
本研究では,市販のドレッシング装置と同様のプロセ スではあるが企業の所有率が高いワイヤ放電加工機を利
用した軸形成装置の開発を試みた.
Fi g・1Machi ni ngpr oces s oデs ha魚byWEDM睾
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Fi g・2 Machi ni ngappar at us of s haf モbyWEDM
平成12年度 研究報告 大分県産業科学技術センター
2,2.加工装置
Fi g.1に軸形成プロセスを示す。回転するワーク(被加 工材)に対し通常のワイヤ放電加工を行うものである. Fi g.2に軸形成装置の外観写真を示すt システムは,ワー
クを装置に取付け回転させ,それをワイヤ放電加工によ り成形する非常に簡単なものである.加工は,ワーク回
転数,送り速度,電気加工条件により制御する.ワーク の回転角を制御することにより多角形軸の形成も可能で
ある.Fi g.3に本装置を使用した場合の加工状況を示す. また,本装置を用いて作製した段付き軸の加工例をFi g.4 に示す。市販の黄銅ワイヤ¢0.2mr nを使用し,銅丸棒¢
10mmを先端直径¢1.5mm,段付き部直径¢3.5mmに加
工したものである。
3.考察
開発した軸形成装置は,汎用のワイヤ放電加工機を利 用した応用加工法であり,加工制御等は通常のワイヤ放 電加工と同様である.また,装置本体も小型■ 軽量であ り手軽にかつ安全に使用できる.本研究で提案する放電 軸加工法は,大掛かりな設備の導入を必要としない新応 用加工技術である。
放電加工は,導電性材料であればワークの硬さに影響 されず,加工抵抗が小さいなどの特徴があり,高硬度材 の加工や軟材の微細加工に適している.このような特徴 を生かし,これまで旋削では対応が困難であった高硬度 材の軸加工や軟材の微細軸加工への適用を図る予定であ る.一方,放電加工の最大の弱点として加工速度の問題 があるが,電気条件や加工経路の検討などから放電研削 法より高速な加工を目指す.
Fi g・3 Pi c t ur es of s haf t mac hi ni ngbyWEDM
4.緒言
ワイヤ放電加工機用軸形成装置の開発により旋削に替 わる軸加工法を確立できた.今後は,この装置による難 加工材の高精度軸の作製や数十〃mの微細軸の作製,ワ ークの回転制御による多角形軸の作製などについて取組 む予定である.また,作製した微細軸による微細形状加 工についても研究を進める予定である.
Fi g・4 Sampl eof s haf t machi ni ngbyWEDM